シュタイナー教育始動
7月29日(火)と、昨日7月4日(月)に、シュタイナー教育研究家の菊池澄子先生をお招きして、フォルメンの30分授業を行った。カリキュラム的には、20分にまとまると理想的なのだが、始めたばかりなので30分でも上出来だったように思う。
7月29日には、小学校1年生の女の子2名と、小学校3年生の男の子2名に行った。菊池先生とは初対面の子どもたちに対し「お楽しみ会」という名目で始めた。
最初に、お稽古室の隣の6畳間を空の状態にして、そこで歩きのワークを行った。子どもたちは、菊池先生の後に続いて行進をした。
最初に、「直線歩き」。次に、「波型歩き」。次に、外から内側に向かう「渦巻き歩き」、最後に、内から外側に向かう「渦巻き歩き」をしてもらった。それまで、静かにお習字に取り組んでいたこともあり、子どもたちは楽しそうに菊池先生と同じ動きを真似ていた。
その後で、大きな座敷テーブルを部屋の中央に置き、フォルメン線描に取り組んでもらった。
画用紙を1枚ずつ手渡し、菊池先生が示す手本に従ってフォルメン用の太いクレヨンを用いて子どもたちに線画を描いてもらった。
最初に、左から右へ5本引く「直線描き」。次に、左から右へ5本引く「波型描き」。次に、外から内側へ引く「渦巻き描き」。さらに、前に描いた渦巻き書きに内から外側に引く線を加える「渦巻き描き」に取り組んでもらった。
クレヨンは、描き方を変える度、子どもたちに譲り合ってもらう形で色を変えて描いてもらった。
フォルメン線描に取り組んでもらった後で、自分が書いた作品の中から一つ選んでもらい、その線描画に自由に絵を描いてもらうようにした。また、何も描いていない白い紙を選んで描いても良いこととした。
女の子二人は、ピアノを習っているということもあり、直線書きを五線譜に見立て、カラフルな音符を加えていた。どちらも健全な絵であると感じられた。
男の子たちは、白い紙に描くことを選び、一人は赤いクレヨンで、まるの中にレンズ型を8個組み合わせて綺麗な模様を描いていた。ただ、題名は無いとのこと。スポーツ少年のイメージの子なのだが、女の子的な繊細さも兼ね備えているように感じられた。
もう一人は、いろいろ色を塗っていたら黒くなってしまったので、それをブラックホールに仕立てたまでは良いのだが、始めに描いた島がブラックホールに滅ぼされていくというネガティブな絵となってしまった。この子は、お習字でも小敗から台無し作品にしてしまうことが多く、ある意味、破壊的傾向があることが表面化された。とはいえ、お友達の作品を褒めるような優しい子ではある。問題視するほどのことは無いが、小さな心の闇が存在していると感じられた。
子どもたちは、菊池先生に素直に従い楽しそうだった。
昨日8月4日には、小学校2年生の女の子1名と、小学校4年の女の子2名の計3名で行った。終わりの方で、小学校6年の女の子1名が加わった。
7月29日のものと全く同じ内容で行った。
子どもたちは、菊池先生との時間をとても楽しそうで、普段あまり笑わない子が2名いたが、二人とも笑顔で先生に従っていた。
前回と一つ違った点は、その2名が緊張しているように思えたことから、菊池先生は、フォルメン描画に入る前に、全員で「静かな湖畔」を先生の後に従って歌わせた。私も、歌で協力して盛り上げた。歌を3つに分け、部分練習をしてから、全体を歌うようにした。大人しい筈の子も声を出して歌ってくれた。
このワークの後、緊張がほぐれたのか、子どもたちは終始笑顔だった。
自由画では、小学校1年生の女の子は、「渦巻き描き」を選び、それを渦巻きキャンディーの絵に仕上げた。小学校4年生の女の子の一人は、「波型描き」を選び、水色を使って海に仕立て、さらに花火を描いていた。小学校4年生のもう一人の女の子は、「直線描き」を選び、緑色の腺に、黄色とオレンジ色をきれいに塗り、楽しい夏の雰囲気を表現していた。
さて、途中から参加した小学校6年生の女の子は、一目見ただけでは描けない難しいフォルメン描画に挑んでもらった。線の上から、何度も指で辿って描画の構造を理解してもらった上で書いてもらったが、見事に描いていた。
この子は、全国展の高円宮杯では4年連続日本武道館賞を受賞し、県の書写書道コンクールでも、2年連続毛筆・硬筆共に特別賞を受賞した子である。数日前に、その書写コンの4年生毛筆課題のお手本を彼女に書いてもらったのだが、私の書いた手本より良い作品となり、その実力に驚かされたばかりだった。ご家庭の躾教育がしっかりしており、成績が優秀なのに、できない子たちからも慕われるというバランスの取れた子である。フォルメン線描の作品にも、そういったバランスの良さが表れていたように思う。
次回は、8月7日(木)に、菊池澄子先生と3回目のシュタイナー教育の授業を行う予定である。
私たちの目指す教育は、進学塾とは別の角度からの教育である。子どもたちが良い高校、良い大学に入り、良い就職まで決められたとしても、その職場で壁にぶち当たり、仕事をやめ、転落人生を歩んでいるような人は多いのである。その中には、犯罪者となり刑務所に入るような人もいる。
彼らは、決して根性なしの人間ではない。人一倍勉強したということではむしろ根性のある人間なのである。しかし、自己一致ができていないゆえに、自分の命の方向性や使命に気づいておらず、大きな壁にぶち当たると、プライドが逆にマイナスに働いて破滅的な方向性に向かってしまうのである。
シュタイナー教育の重要性は、大きな壁にぶち当たっても、諦めることなく進んでいける真にたくましい魂の育成が実現できる点にある。この教育法を日本中に広めて行けたなら、日本の子どもたちの未来は明るくなると確信しているのである。
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